現在、青木ヶ原樹海で行われている対策は「事後処理」から「未然防止」へと劇的にシフトしています。山梨県や民間団体が配置する専任のパトロール要員が、遊歩道や主要な駐車場を連日巡回しています。
現場の見守り体制は、人間の目視だけに頼っていません。近年は以下のような多角的な防止網が敷かれています。
- 高性能防犯カメラの設置:主要な樹海入口や国道沿いのバス停付近に監視カメラを配置し、不自然な軽装や一人歩きの動線を24時間監視。
- サーマルセンサー・ドローンの試験運用:夜間や立ち入り困難なエリアにおける熱源感知技術の活用。
- 相談窓口の多言語・QRコード看板:精神的な孤立を防ぐため、公的な支援窓口へ直接アクセスできる案内板の設置。
巡回員は、思い詰めた表情で歩く人や荷物を持たずに散策路を歩く人に自然な挨拶から声をかけます。こうした地道な対話によって、年間数十人以上が思い留まり、保護されて無事に帰路へ就いているという事実は、あまり知られていない現場の確かな成果です。