没後もなお、千代の富士の人気は衰えるどころか、若い世代へも広がりを見せている。現在では、大相撲中継のアーカイブ配信をはじめ、ABEMAの大相撲チャンネルやNHKオンデマンドの特集番組を通じて、ウルフの全盛期を誰でも手軽に体感できるようになった。
昭和56年の北の湖との優勝決定戦、53連勝を阻まれた大乃国戦、そして平成3年、若き貴花田に敗れた直後の「体力の限界…気力もなくなり、引退することになりました」という伝説の引退会見――。これら歴史的瞬間を記録したスポーツドキュメンタリーは、動画プラットフォームで今も再生数を伸ばし続けている。
CGや派手な演出が溢れる現代だからこそ、無駄肉を極限まで削ぎ落とした肉体と、命を削り合うような土俵上の気迫が、時代を超えて人々の魂を揺さぶるのだ。