事故直後から強い批判と疑問の目が向けられたのが、現場の場所である商業施設の管理体制でした。通常、商業ビルの屋上エリアは関係者以外立ち入り禁止となっているケースが大半です。なぜ一般の来館者である未成年者が、容易に屋上へと侵入できたのでしょうか。
施設関係者の証言および警察の現場調査で判明した侵入ルートは、極めて巧妙かつ建物の盲点を突いたものでした。生徒は一般客用のエレベーターで最上階のレストランフロアへ上がり、そこから従業員専用通路へ進入。施錠管理されるべき非常口や階段ドアを通過し、屋上へ至っていました。
ここで浮き彫りとなったのが、建築基準法・消防法と防犯セキュリティのジレンマです。火災などの緊急避難時、屋内から屋上や非常階段への逃げ道を完全に塞ぐことは法令上難しく、多くの商業施設では「非常時に内側から開けられる構造」を維持せざるを得ません。この安全基準の隙間を悪用、あるいは偶発的にすり抜けてしまったことが、悲劇的な事故を招く決定的な契機となりました。