広島県の総面積は約8,479平方キロメートル(全国第11位)で、国土の約2.2%を占めます。その最大の特徴は、南の温暖な沿岸島嶼部から北の豪雪山岳地帯まで、わずか直線距離約100km足らずの間に極めて多様な地形が凝縮されている点です。
地形は北部の「中国山地」、中央部の「吉備高原」、南部の「瀬戸内沿岸平野部・島嶼部」の3段構造に分かれています。北部には恐羅漢山(標高1,346m)など1,000m級の山々が連なり、冬期には西日本有数のスキー場エリアとなります。一方、中央部は標高300〜500mのなだらかな高原地帯が広がり、果樹栽培や畜産業、高原リゾートが発達しています。
気候区分も明確に分かれており、南部の瀬戸内海沿岸は年間降水量が約1,000〜1,400mm程度と少なく、日照時間が長い温暖な「瀬戸内海式気候」です。これに対して北部の山間部は「日本海側気候」に近く、冬の積雪量が多く年間降水量も2,000mmを超える「豪雪地帯」に指定されている市町(庄原市・北広島町など)が存在します。
このように海・山・高原・島・川(太田川・江の川・芦田川)がすべて揃っていることから、地理学や農林水産業の現場では古くから「日本の縮図」「日本列島のジオラマ」と呼ばれ、多様な生態系と豊かな食文化(牡蠣、レモン、広島牛、地酒など)を育んできました。