和菓子を包む桜の葉。実は、全国で流通する塩漬け桜葉の約7割がこの地で生産されているのをご存じだろうか。春の訪れとともに山肌を彩るオオシマザクラの葉は、丁寧に手摘みされ、木樽でじっくりと塩漬けされることで独特の香りを放つ。
現在、松崎町ではこの伝統産業をベースにした体験型アグリツーリズムが急速に広がっている。単なる農作業体験にとどまらず、オーガニック栽培へのシフトや、塩漬けの過程で出る廃液の肥料化など、循環型農業の試みが世界中の環境意識の高い旅行者を惹きつけている。かつて地場産業を支えた桜葉は今、地域の持続可能性をシンボライズする存在へ進化を遂げた。