上海や北京、深圳といった沿海部の主要都市を歩くと、かつてのような派手な消費風景は明らかに影を潜めています。高級ブランド店やミシュラン星付きレストランが軒並み苦戦する一方で、安価なファストフードチェーンやリユース市場が活況を呈する「消費のダウングレード(消費降級)」が定着しました。
現地のSNSや若年層のコミュニティでは、過度な競争から降りて最低限の生活を送る「寝そべり(タンピン)」や、実家に戻って家事を行い小遣いをもらう「専業子ども(専職児女)」といった言葉が日常的に交わされています。名門校を出た20代の若手エンジニアからは、「かつてのようにテック企業で巨額のストックオプションを得る夢は消え、公務員や国有企業など雇用の安定だけが唯一の希望になった」という生々しい声が聞かれます。
また、株式市場の急激なボラティリティも中間層を直撃しました。上海・香港市場の乱高下に対して当局が取引規制や買い支え措置を発動する場面が繰り返され、個人投資家の間では「資産を守るために預金や金(ゴールド)に逃避する」動きが強まっています。