記録的な大ヒットの裏で、『Shape of You』は泥沼の法廷闘争に巻き込まれた過去があります。ミュージシャンのサミ・チョクリ(Sami Chokri)らが、同曲の「Oh I, Oh I, Oh I」というコーラス部分のフレーズが、自身の2015年の楽曲『Oh Why』の盗作であるとして訴訟を起こしたのです。
ロンドンの高等裁判所で争われたこの裁判において、エド・シーラン側は制作プロセスのボイスメモやスタジオセッションの記録を詳細に開示。ペンタトニックスケール(五音音階)を用いたポップスにおいて、限られた音階の組み合わせが偶然一致することは音楽理論上極めて自然であることを論理的に主張しました。
2022年4月、英高等裁判所はエド・シーラン側の主張を全面的に認め、著作権侵害を完全に否定する勝訴判決を下しました。 判決後、エドは声明を発表し、「根拠のない著作権主張が業界に蔓延し、ソングライターの創造性を脅かしている」と警鐘を鳴らしました。この勝訴は、ポップミュージック界における過度な著作権トロール(訴訟乱発)に対する極めて重要な先例となっています。