国の重要文化財に指定されている「五翼放射状平屋舎房」は、木造の行刑建築としては世界最古の規模を誇る。中央の警備所を中心として、5本のアームのように放射状に伸びた舎房の構造は、少数の看守で多くの囚人を監視するための徹底した機能美を備えている。
ギシギシと鳴る廊下の床板、廊下の端まで見渡せる視認性の高さ、そして暖房設備の乏しい吹き抜けの木造構造。職人の精巧な建築技術と、そこに囚人を閉じ込めるという冷徹な目的が同居するこの空間は、建築史的な価値においても世界中の専門家を魅了し続けている。2026年現在も入念な修復作業が続けられており、歴史的価値を守る現場の緊張感が漂う。