なぜ当時10代後半だった橋本環奈が、ここまで恐れを知らずに振り切った芝居をやり遂げられたのか。その背景には、座長である小栗旬(坂田銀時役)や菅田将暉(志村新八役)ら、日本映画界を牽引するトップ俳優たちが築き上げた「福田組」ならではの撮影現場の空気感がありました。
撮影現場の証言取材によると、小栗旬は現場で常に「失敗を恐れず、何をやっても全部俺たちが受け止めるから」と万事屋チームの妹分である橋本環奈を温かく見守っていました。菅田将暉との間では、神楽と新八の漫才さながらのテンポ感を掴むため、カメラが回っていない控室でも自然な掛け合いを反復。小栗旬自身も徹底した白目演技やコミカルなアドリブを連発していたため、現場には「恥ずかしがることこそが最大の悪手」という共通認識が自然と形成されていました。
また、続編である『銀魂2 掟は破るためにこそある』の撮影時には、福田監督から「前作を超える変顔」を要求され、あごを突き出してしゃくれさせながら目を限界まで見開く超絶技巧の顔芸を披露。撮影合間には共演者たちと笑い合いながら、モニターチェックで「もっと崩せますね」と自らリテイクを志願することすらあったといいます。百戦錬磨のキャスト陣に囲まれ、笑いに対して極めてストイックな福田組の洗礼を浴びたことが、彼女の中に眠っていたコメディエンヌの才能を完全に覚醒させました。