「大殺界(だいさっかい)」という言葉は、作家・占術家であった細木数子氏が提唱した「六星占術」によって日本全国へ広く浸透しました。現在はその遺志を継いだ細木かおり氏が公式メディア等で解説を続けていますが、創始期から一貫して語られている原則は「12年周期で巡る運気の冬」という視点です。
六星占術では、人の運気を12の局面に分類しています。植物が種を蒔き、芽吹き、花を咲かせ、実を実らせ、やがて冬を耐え忍ぶように、人間のバイオリズムにも一定の浮沈が存在するという論理です。その12局面のなかで、エネルギーが低下し休息を余儀なくされる3年間を大殺界と総称します。具体的には以下の3つのステージで構成されています。
- 陰影(いんえい):大殺界の1年目。これまでの好調さに翳(かげ)りが見え始め、知らず知らずのうちに判断力が鈍りやすくなる初動段階。焦りから無理な新規開拓に打って出ると綻びが生じやすい時期です。
- 停止(ていし):大殺界の2年目。12年のサイクルの中で最も運気が沈み込み、文字通り物事が停滞しやすい中核期。自力で力づくの打開を図ろうとすると逆風を受けやすいため、静観と現状維持が賢明とされます。
- 減退(げんたい):大殺界の3年目。長い冬の終わりの段階でありながら、最後の揺り戻しや心身の疲労が噴出しやすい時期。油断から大きな散財や対人トラブルを招かないよう、丁寧な店じまいと次の春(種子)への準備が求められます。
テレビ番組の過激な演出が目立った平成期には、「すべてを失う」「災厄が降りかかる」といったパニックに近い受け止め方が広がりました。しかし、近年の公式発表や関係者の解説では、「言葉ばかりが独り歩きして恐怖を煽ってしまった」という反省とともに、エネルギーを内に蓄え、無謀な拡張路線を控える「メンテナンス期間」としての位置づけが明確に発信されています。