川栄李奈がAkbから名女優へ化けた理由|握手会事件の傷と現在の真価

川栄李奈がAkbから名女優へ化けた理由|握手会事件の傷と現在の真価

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映画監督やドラマプロデューサーたちが口を揃えて川栄李奈を絶賛する最大の理由は、その「圧倒的な日常性のリアリティ」にあります。彼女の演技には、美化された型通りの芝居や自己陶酔が一切ありません。市井に生きる普通の女性の苛立ち、照れ隠し、情けない涙、そして腹の底から湧き出る温かな笑顔を、観客が自らの記憶と錯覚するほどの自然体で立ち上げてみせます。

その実力が結晶化されたのが、2021年度後期のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』でした。ラジオ英語講座と激動の昭和・平成・令和を駆け抜けた祖母・母・娘の3世代を描くこの壮大な物語において、彼女は3代目のヒロイン・ひなた役を熱演。条映太秦映画村を舞台に、時代劇を愛しながらも進路に悩み、英語と格闘しながら自らの人生を切り拓いていく姿を、みずみずしい躍動感で見事に体現しました。

この役は形式的なオファーではなく、3,000人を超える大規模オーディションを実力一本で勝ち抜いたものでした。制作陣は選考の決め手として「台詞を放った瞬間にその場の空気が一変し、登場人物の人生そのものが立ち現れる説得力」を挙げています。かつて『3年A組-今から皆さんは、人質です-』で見せた繊細な感情の揺れ動きや、映画『亜人』『ステップ』で見せた確かな技術は、決して偶然の産物ではなく、台本を深く読み込み自らの感情を限界まで注ぎ込む愚直な職人気質によって裏打ちされています。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。