ネット上の掲示板やSNSでは、森進一の現在の姿に対して「若い頃と顔つきが変わりすぎている」「目元や輪郭を整形したのではないか」という無責任な憶測が定期的に浮上します。しかし、昭和芸能史と彼の半生を丹念に追跡・取材していくと、その容貌の変化には極めて過酷な医療的背景と肉体的試練が存在することが明らかになります。
第一の決定的な要因は、彼が長年闘い続けた「C型肝炎」と、その治療に伴う副作用です。森進一は1990年代後半に重度のC型肝炎を患っていることを公表しました。ウイルスの排除を目指して長期間にわたり行われたインターフェロン治療は、極度の倦怠感、激しい体重の増減、発熱、そして精神的なうつ症状を引き起こす過酷なものでした。この長きにわたる闘病生活により、顔の皮下脂肪が急激に落ち、骨格のラインが極端に浮き彫りになったことが、顔の印象を大きく変えた主因です。
第二の要因は、生涯にわたる徹底的な体型維持と、加齢による自然な皮膚の収縮です。森進一は70代後半を迎えた現在に至るまで、ステージで現役の声を維持するために過酷な筋力トレーニングや発声維持、食事制限を毎日欠かさず続けています。余分な脂肪が極限まで削ぎ落とされた肉体は、若い頃のふっくらとしたみずみずしさとは異なり、陰影が濃く彫りの深い独特の風貌を形成します。一部で囁かれる安易な美容整形説は、病魔に打ち勝ち、老いと闘いながらステージに立ち続ける表現者の血のにじむような自己鍛錬の実態を見落とした、根拠の薄い誤解と言わざるを得ません。