てつのくじら館の展示構成は、大きく分けて「3階建ての屋内展示館」と「屋外に鎮座する実物潜水艦あきしお」の2つで構成されています。館内を余すところなく楽しむための標準的な所要時間は約1時間から1時間30分です。展示パネルや資料を細部まで読み込む場合は2時間程度を見込んでおくと確実です。
館内巡視のハイライトとなるのが、以下の3大見どころです。
① 実物潜水艦「あきしお」の艦内体験(3階連絡通路直結)
1986年から2004年まで実際に海上自衛隊で就役していた「ゆうしお型」潜水艦の7番艦。艦内に入ると、計器類が所狭しと並ぶ発令所、艦長室、極限まで省スペース化された3段バンクベッドなどが当時のまま残されています。特に本物の潜望鏡を覗き込む体験では、現在の呉港や航行する船舶が鮮明な光学視界で捉えられ、来館者から驚きの声が上がります。
② 命懸けの海路を守る「掃海(そうかい)艇」の歴史と機雷除去技術(2階)
日本の海を封鎖していた無数の機雷を取り除いてきた「掃海部隊」の歩みを紹介。太平洋戦争後の日本近海航路啓開から、1991年のペルシャ湾派遣に至るまでの緊迫した実務が、本物の機雷や掃海具の実機とともに生々しく解説されています。潜水艦の陰に隠れがちですが、「日本の復興と通商航路を守った隠れた英雄たち」の足跡は必見です。
③ 潜水艦の進化と乗員の生活環境(3階)
日の光が一切届かない深海で長期間任務にあたる潜水官たちの日常を学べるゾーン。狭小な居住空間での工夫や、曜日感覚を保つために金曜日にカレーを食べる海自の伝統など、人間味あふれるエピソードが数多く散りばめられています。