話は電気グルーヴの破天荒なライブ史へと遡る。テクノミュージックの尖鋭的なサウンドと、一見すると荒唐無稽なパフォーマンス。その中心で圧倒的な存在感を放っていたのがピエール瀧だ。巨大なケンタウロスの着ぐるみを身に纏い、ステージ上を縦横無尽に駆け巡るその姿は、観客の脳裏に消えないトラウマと歓喜を同時に焼き付けた。
そこにあったのは単なるギャグではない。既存の常識や「格好良さ」の定義を内側から破壊し、自我を完全に解放するパンク精神そのものだった。上半身の人間としての意思と、下半身の野生的な馬の躍動。その不条理な融合こそが、彼らの提示する「非日常」の象徴だったと言える。