ネット上で囁かれる「ドクターフィッシュで死亡した人がいる」という情報の真偽を確かめるべく、過去の国内外のニュースおよび医療論文を精査したところ、ドクターフィッシュが直接の原因となって健康な人が死亡した事例は確認されていません。
では、なぜこのような不気味な噂が拡散したのでしょうか。発端となったのは、海外で報じられた重篤な細菌感染による四肢切断事故や、基礎疾患を抱える患者の急変ニュースです。代表的な事例として、オーストラリアの女性がタイのフィッシュスパを利用した数年後、水中に生息する希少な細菌に感染して右足の親指から全ての指を切断するに至ったニュースが世界的な衝撃を与えました。
この痛ましい事故では、女性が過去に負っていた骨の感染症という持病と、水中の病原菌が複雑に絡み合っていました。センセーショナルな見出しだけが独り歩きし、SNSやまとめサイトを通じて「ドクターフィッシュ=命を落とす危険な体験」という極端な言説へ変貌していったのが噂の真相です。