松平が息子の成長過程で最も情熱を注いだことの一つが、中学・高校時代の「お弁当作り」だった。朝5時に起きてキッチンに立ち、栄養バランスを考え抜いた手料理を何年も作り続けたエピソードは、ファンの間でも有名だ。
「今日は何を入れようか」と試行錯誤しながら、煮物や肉料理を手際よく詰める姿は、画面上の威厳ある将軍像とは対照的な、一人の慈愛に満ちた父親そのものだった。息子が学校から持ち帰る空のお弁当箱を見る瞬間が、何よりの喜びだったと周囲に語っていたという。一見すると当たり前の日常の積み重ねこそが、確固たる信頼関係の土台となっている。