検索クエリで見かける「mục thần ký」は、中国の作家・宅猪(Zhai Zhu)が執筆した超大作仙侠ファンタジー『牧神記』の越境的な拡散によって生まれた呼び名です。ベトナムをはじめとする東南アジア圏において中国Web小説の翻訳文化が急速に発展した結果、アルファベット圏の画像検索や動画共有サービス、海外コミックビューアー経由で日本国内のユーザーの目にも留まる機会が急増しました。
中国ファンタジー小説『牧神記』は、2017年から連載が開始され、中国国内最大手のWeb文学配信サイト「起点中文網」で月間ランキング1位を幾度も獲得した実績を持ちます。従来の「自己の不老不死や強さだけを求めて弱者を踏みにじる」典型的な修仙小説のクリシェ(お決まりの展開)を痛烈に批判し、「神は民を家畜(牧)にする存在ではなく、人こそが世界を切り拓くべき」という強烈なアンチテーゼを掲げたことで、文芸評論家やコアな読者層から極めて高い評価を獲得しました。
2026年現在、本作はアジア圏に留まらず、英語圏(タイトル『Tales of Herding Gods』)や日本でも熱心なファンコミュニティを形成しており、単なるネット小説の枠を超えた現代中華ファンタジーの金字塔として君臨しています。