高校野球ファンをはじめ、世間一般には「強豪私立高校」として広く認知されてきたPL学園ですが、その設立母体は新宗教「パーフェクトリバティー教団(通称:PL教団)」です。学園名の「PL」は教団名の頭文字から取られており、教団本部が位置する大阪府富田林市の広大な敷地内に学校施設が構えられています。
学園の創設と野球部の躍進に決定的な役割を果たしたのが、御木徳近PL教団2代教祖でした。大正期に立教された「人道教」「ひとのみち教団」の弾圧と解散を経て、戦後の1946年に佐賀県鳥栖市で再興されたPL教団は、従来の禁欲的な宗教観とは一線を画す教えを打ち出します。その中核をなすのが「人生は芸術である 教義」(PL処世訓第1条)です。
「神から与えられた個性を最大限に発揮し、自己表現を行うことこそが人生の芸術である」という教えのもと、御木徳近2代教祖はスポーツや芸術を通じた布教を積極的に推進しました。その最大のモデルケースとして1955年に設立されたのがPL学園高等学校でした。2代教祖は「野球を通じて教団の名を天下に広める」という明確なヴィジョンを掲げ、日本全国から優秀な球児をスカウト。アルプススタンドでの一糸乱れぬ人文字応援やブラスバンドの華麗な演奏も、信者の祈りと信仰の「芸術的表現」として位置づけられていたのです。