「ブラジル産鶏肉の安全性は本当に大丈夫なのか?」という消費者の根源的な問いに対する専門家の見解は明快だ。現在輸入されている製品は、ブラジル政府と日本政府の二重の法規制と検査網を通過したものであり、残留化学物質や成長ホルモン剤のリスクという観点において、国産鶏肉と比較して極端に危険度が高いという科学的証拠はない。
専門家がむしろ警鐘を鳴らすのは、化学物質のリスクよりも、食肉全般に共通する「細菌性食中毒」の予防だ。カンピロバクターやサルモネラ属菌といった病原菌は、原産国を問わず生の鶏肉に一定確率で付着している。鮮度や産地に気を取られるあまり、家庭内での二次汚染対策を怠るほうがはるかにリスクが高い。
安全な食卓を守るために選ぶべき基準は、パッケージの産地表示だけに怯えることではなく、徹底した「中心温度75℃以上で1分間以上の加熱」と、生肉を扱った手や調理器具の消毒を徹底することだ。正しく管理・調理されている限り、ブラジル産鶏肉は優れたタンパク源として日常の家計を支える頼もしい選択肢となる。