美術館の真髄を味わう上で外せないのが、約5,000点に及ぶ所蔵品からテーマごとに選定される福岡アジア美術館のコレクション展(常設展)です。展示は定期的に模様替えされ、東アジア、東南アジア、南アジアの作家たちがそれぞれの時代や政治体制の中で葛藤し生み出した名作群が独自の切り口で提示されます。インド、インドネシア、フィリピン、タイ、中国、韓国などの作家による力強い作品群は、鑑賞者に深い知的好奇心を刺激します。
さらに、大規模な巡回展や尖ったキュレーションが光る福岡アジア美術館の展覧会(特別企画展)も見逃せません。気鋭のアジア系アーティストを取り上げた現代アート展から、漫画・アニメーション・デザインといったサブカルチャーを掘り下げる企画まで、その振れ幅の広さは常にSNSやアート系メディアで大きな反響を呼びます。
館内の決定的な見どころとして挙げられるのが、作家が滞在して作品を制作する「アーティスト・イン・レジデンス」プログラムです。制作現場の公開やワークショップが頻繁に行われ、完成された作品を一方的に鑑賞するだけでなく、「アートが生み出される瞬間の息づかい」に立ち会える仕組みが整えられています。7階の吹き抜けロビーや交流ギャラリーには、そうした過去の滞在作家が残したダイナミックな壁画やモニュメントが自然に溶け込んでおり、館内を歩くだけで視覚的な発見が連続します。