事態が大きく動いたのは、2022年4月4日付の日本経済新聞朝刊でした。新年度の始まりという日本社会の重要な節目に、講談社の青年漫画誌『ヤングマガジン』で連載されていた本作のコミックス第4巻発売を告知する全面広告が掲載されたのです。紙面には、代表的ヒロインである女子高生「アイちゃん」のイラストとともに、「今週も、素敵な一週間になりますように。」というコピーが大きく添えられていました。
これが朝刊配達直後からSNS上で急速に拡散され、瞬く間に賛否両論の渦を巻き起こします。「憂鬱な月曜の朝を励ましてくれる」「日常のささやかな癒やし」と好意的に受け止める読者が多数存在した一方で、経済界のリーダーやビジネスパーソン、教育現場でも広く読まれる全国紙の紙面に、制服を着た女子高生の胸部を強調したイラストを大きく掲出することへの違和感や嫌悪感を表明する声が噴出しました。
批判側の論点は、漫画そのものの存在ではなく「無関係な読者が日常的に目にする一般公論の紙面に、特定の性的アピールを含むコンテンツを無差別に提示することの是非(環境型セクシュアル・ハラスメントや公共空間でのゾーニング問題)」に集中。対して擁護側は「合法的な商業漫画の正式な広告であり、過度な自主規制は表現の自由を萎縮させる」と主張し、議論は平行線をたどることとなりました。