静岡県御前崎市がいま改めて多方面から熱い視線を注がれている背景には、地方創生における独自のポジショニングがあります。温暖な海洋性気候に恵まれ、日照時間の長さは全国トップクラスを誇るこの街は、冬でも雪が降ることは極めて稀です。サーファーやウィンドサーファーにとっては日本屈指の聖地として君臨し、週末になれば首都圏や中京圏から波を求めて大勢のアスリートが押し寄せます。
しかし、表層的なリゾートの顔の裏で、御前崎市の最新ニュースと経緯を辿ると、地方自治体としての激動の歩みが浮き彫りになります。旧御前崎町と旧浜岡町が2004年に合併して誕生して以来、市の財政基盤を支えてきた原発関連交付金や固定資産税の行方は、常に市政の中心課題であり続けてきました。原発停止から十数年が経過した現在、市は観光振興や企業誘致、子育て世帯向けの移住促進施策へと舵を切り、単一産業への依存から脱却する構造転換を進めています。
訪れる人々を魅了する大自然の開放感と、エネルギー政策の最前線に立ち続けてきた歴史の重み。この二面性こそが、多くの人々が御前崎市という土地に強い関心を寄せる最大の理由です。