正月の三が日を迎えると、X(旧Twitter)などのSNS空間ではあずき雑煮をめぐる投稿が一気に過熱します。ネット上のリアルな声を丹念に拾い上げると、カルチャーショックを受ける県外出身者と、誇りを持って継承する地元民とのあいだで、毎年恒例ともいえる微笑ましい攻防が繰り広げられていることが分かります。
県外から鳥取や島根の家庭へ配偶者として嫁いだ人々や、旅行で山陰の旅館に宿泊した人々からは、次のような驚きの声が相次ぎます。
「義実家で最初に出てきたお雑煮が完全にぜんざいで、自分の常識が音を立てて崩れた」
「朝ごはんのつもりで箸を持ったら甘い汁物。驚いたけれど、食べてみると丸餅が柔らかく、体が芯から温まった」
一方、地元住民や上京した山陰出身者の手記やSNS上の独白には、上京して初めて自身の文化が少数派であったことを知るリアルな体験が綴られています。
「大学進学で東京に出て、友人に『うちの雑煮は小豆だよ』と言ったら全員から嘘つき扱いされた」
「おせちの塩気とあずき雑煮の甘さの無限ループこそが正月の幸福。他県のしょっぱい雑煮を食べると、正月が来た実感が湧かない」
ネット上の反応を分析すると、当初は「奇食」や「朝から甘いものを食べる違和感」を口にする層が多いものの、実際に現地で良質な小豆と軟らかな丸餅で仕立てられた一杯を食した人の評価は一転して高く、「甘すぎず上品」「おせち料理の塩分と完璧に調和する」といった好意的な意見が大半を占めるようになります。