毎冬、X(旧Twitter)やリアルタイム検索トレンドを分析すると、歓喜の投稿と落胆の投稿が見事なまでに二極化します。「15分で7個も見えて感動した!」「人生で初めて巨大な火球を目撃した」と歓声をあげる人がいる一方で、「寒空の下で1時間粘ったのに1個も流れない」「やっぱり都会では見えないのでは」と嘆く声も少なくありません。
取材班が両者の観測行動を詳細に検証した結果、明暗を分けたのは「立地」以上に『暗順応(あんじゅんのう)の維持』と『視界の確保』でした。
人間の目は、暗闇に入ってから網膜の視物質(ロドプシン)が活性化し、かすかな光を捉えられるようになるまで最低でも15分から20分の時間(暗順応)を必要とします。「寒いから」と数分おきにスマートフォンの画面を覗き込んで星空アプリをチェックしたり、SNSを更新したりしていたグループは、ブルーライトによって暗順応がその都度リセットされ、夜空に走る淡い流星の9割以上を視界から消失させていたのです。
対照的に「成功組」の報告を見ると、レジャーシートに寝袋を広げて仰向けになり、スマホの光を一切遮断してぼんやりと空全体を眺めていた愛好家たちが、短時間で二桁以上の目撃実績を叩き出していました。暗闇に目を慣らし、視野を広げて待つ姿勢こそが、科学的に裏付けられた唯一の近道です。