順風満帆に見えた名門・東関部屋を突如襲ったのが、師匠の健康問題でした。2019年12月、13代東関親方(元潮丸)が血管肉腫のため41歳の若さで急逝。部屋の大黒柱をあまりにも早い段階で失った衝撃は、部屋運営の根幹を揺るがす事態へと発展しました。
師匠不在の危機を回避すべく、2020年1月に部屋付きの振分親方であった元高見盛が名跡を変更し、14代東関親方として部屋を急遽継承しました。また、亡き13代親方の遺志を継ぎ、東関部屋のおかみさんも残された若い弟子たちの生活を支えるため奔走しました。しかし、相撲部屋の独立運営には極めて過酷な現実が立ちはだかりました。
最大の要因は、「現役関取の不在」「新規入門者の減少」「新築建物の維持管理コスト」という三重苦です。14代親方は誠実な人柄で知られる一方、大規模な相撲部屋を経営トップとして牽引する負担は想像を絶するものでした。師匠一人でスカウト活動、稽古指導、後援会対応、経理実務を背負う限界が生じ、日本相撲協会および高砂一門との協議の末、「弟子たちの将来を最優先する」という判断のもと、2021年4月1日付での部屋閉鎖が決定されました。