臨床現場の動物看護師や行動診療科の獣医師のもとには、鳴き声に関する相談が後を絶ちません。実際の飼育現場やコミュニティで頻発しているリアルなケースを検証すると、飼い主側の無意識な行動が鳴き声を助長している構造が浮き彫りになります。
大手知恵袋やSNSコミュニティに寄せられる相談で最も件数が多いのは、「鳴いた直後にご飯をあげたり撫でたりしていたら、要求鳴きが激化して24時間鳴き止まなくなった」という切実な告白です。猫の学習能力は極めて高く、「鳴く=要求が通る=自分の行動は正解」というオペラント条件づけが強固に完成してしまいます。
また、賃貸住宅で暮らす飼い主からは、「明け方の夜鳴きで近隣トラブルになり、睡眠薬を飲んでしのいでいる」といった精神的な追い詰められ方を訴える声も少なくありません。怒鳴って叱ったりケージを叩いたりしても、猫にとっては「相手をしてくれた」「恐怖の対象が現れた」としか認識されず、根本的な解決にならないどころか関係性の破綻を招く結果となっています。