香港土産を調べる過程で、インターネット上の古い情報や誤った噂を鵜呑みにすると、思わぬトラブルに巻き込まれるケースが後を絶ちません。現場取材によって確認された代表的な落とし穴を検証します。
第一の盲点は、人気ブランドを巡る「偽物・転売問題」です。尖沙咀の重慶大厦周辺や旺角(モンコック)の路上には、「ジェニーベーカリーのクッキーあります」と日本語や英語の看板を掲げ、直営店の定価より2〜3割高い価格で販売する露店や雑貨店が点在しています。これらの中には、賞味期限切れ間近の横流し品や、パッケージだけを精巧に似せた粗悪な模倣品が混入している事例が現地でも報告されています。公式直営店舗(尖沙咀店:美麗都大厦1階、上環店:永和街15号)以外での購入は絶対に避けるべきです。
第二の深刻な盲点は、日本への肉製品持ち込み規制(家畜伝染病予防法)です。ネット上の体験談などで「インスタント麺や調味料なら肉が入っていても大丈夫」という記述を見かけることがありますが、これは明確な誤解です。日本の動物検疫所は、海外からの肉製品(牛・豚・鶏など)の持ち込みに対し厳格な検査証明書を要求しており、真空パックや加熱調理済みであっても証明書のないものは日本国内への持ち込みが法律で禁じられています。
出前一丁のフレーバーの一部や、ローカルな肉骨茶(バクテー)スパイスキット、チャーシュー風味のレトルト調味料など、原材料に「ポークエキス」「チキンエキス」「牛脂」が多量に含まれる加工食品は、羽田や成田、関西国際空港の税関・検疫検査場にて探知犬やX線検査で没収・廃棄処分の対象となるリスクがあります。スーパーで購入する際は、裏面の原材料表示(成分表)を確認し、海鮮系(XO醤、エビ、ホタテ)や野菜・スパイスベースの製品を選択するのが安全な鉄則です。
第三に、決済事情の変化も見逃せません。現在、香港の小売店では「八達通(オクトパスカード)」や各種クレジットカード、QRコード決済がほぼ全域に普及していますが、一部の超人気老舗店(一部ベーカリーや漢方専門店など)では、手数料回避やレジ回転効率化のために依然として「現金のみ(Cash Only)」または「オクトパスのみ対応」というローカルルールを維持しています。完全キャッシュレスのつもりで並び、レジ直前で購入できない事態を防ぐためにも、最低限の現金(100〜200HKD程度)は常に携行しておく必要があります。