Q1:熱は全くないのに、授乳後に胸の奥がズキズキと脈打つように痛みます。放置しても自然に治りますか?
A1:自然寛解を期待して放置するのは危険です。発熱を伴わない「うっ滞性乳腺炎」の初期段階である可能性が高く、乳管内に母乳が詰まって内圧が上がっているサインです。放置すると48時間以内に細菌感染を併発し、38度以上の高熱を出す化膿性乳腺炎へ移行するリスクがあります。赤ちゃんの抱き方を変えてしこりの部分を重点的に吸わせるか、改善が見られない場合は速やかに母乳外来で排乳手技を受けてください。
Q2:授乳を終えると乳頭の先端が真っ白になり、焼けるような激痛が走ります。何が原因でしょうか?
A2:乳頭の毛細血管が急激に収縮して血流が一時的に遮断される「血管攣縮(乳頭レイノー現象)」が疑われます。授乳後に乳頭が急冷されることで生じやすいため、絶対に冷湿布などで冷やしてはいけません。授乳後は素早く乾いたタオルや衣服で保温し、胸元を温める工夫を行ってください。改善しない場合は赤ちゃんの「浅吸い」による乳頭への物理的圧迫が血管攣縮の引き金になっていることが多いため、助産師にラッチオンのポジショニングを指導してもらうことが根本解決になります。
Q3:助産院の母乳外来は、どのようなタイミングで受診するのがベストですか?紹介状は必要ですか?
A3:紹介状は原則不要であり、「痛みが24時間以上引かない」「しこりが取れない」「授乳が苦痛で精神的に辛い」と感じた時点がベストな受診タイミングです。多くの母乳外来では、授乳直前の「胸が張った状態」での来院を推奨されます(母乳の出方や赤ちゃんの吸い方をその場で直接観察できるため)。事前に電話で症状を伝え、来院時間の指示を仰ぐのが最もスムーズです。
Q4:授乳中に市販の葛根湯を飲んでも、母乳を通じて赤ちゃんに悪影響はありませんか?
A4:標準的な用法・用量を守る限り、授乳中に葛根湯を服用しても乳児への重大な悪影響はないとされています(国立成育医療研究センターの薬剤安全性情報でも安全性の高いカテゴリーに分類されています)。葛根湯は血流を促し初期の乳腺炎の炎症を和らげる効果が期待できますが、数日間服用しても痛みが改善しない場合は自己判断を中止し、医師や助産師の診察を受けて抗生剤や消炎鎮痛剤の処方を検討してください。