2021年5月15日、門倉氏が無断で練習を欠席したことから始まった失踪騒動。ネット上では「多額の借金苦」「女性問題」「何らかの事件に巻き込まれたのではないか」といった根拠のない憶測が飛び交い、民江さんをはじめとする家族への心ないバッシングも発生しました。しかし、事実はそれらとは全く異なるものでした。
無事保護された後、専門医療機関で精密検査を受けた結果、公表されたのは重度のうつ病(抑うつ状態)の診断でした。関係者の証言や当時の家族の手記によると、真面目で責任感の強い門倉氏は、コーチ就任による激しいプレッシャーや周囲の期待を一身に背負い込み、睡眠障害や激しい倦怠感に苛まれていたといいます。
精神科領域の専門医が指摘するように、うつ病が重度化すると「解離性遁走(かいりせいとんそう)」と呼ばれる、自覚がないまま現在の環境から突然逃避してしまう意識障害が起きることがあります。当時の門倉氏の行動は、計画的な逃亡ではなく、極限状態まで追い詰められた脳が引き起こした「命を守るための無意識のブレーカー遮断」であったことが判明しています。失踪の真相は、決して無責任な放棄ではなく、病によって思考のコントロールを奪われていた悲劇だったのです。