作家・飯干晃一のノンフィクションおよび深作欣二監督の映画で知られる『仁義なき戦い』は、昭和20年代から40年代にかけて広島県呉市および広島市で繰り広げられた広島抗争の実話を基にしています。
映画では菅原文太演じる広能昌三(モデル:美能幸三)の生き様がドラマチックに描かれていますが、美能本人の獄中手記や当時の捜査資料を紐解くと、そこにあったのは美しい任侠道などではなく、裏切りと疑心暗鬼、そして生活苦が生んだ悲惨な殺戮の連鎖でした。若者がわずかな金や面子、親分の都合によって鉄砲玉として使い捨てにされたのが、冷酷な現実です。
昭和の日本列島を震撼させた主な抗争事件を時系列で振り返ると、その過激さと頻度は現代の治安感覚からは想像を絶するものがあります。