全国の小中学校で像の撤去が相次いでいる最大の要因は、物理的な老朽化だ。戦前や昭和中期に設置された石造・コンクリート造の像は、長年の風雨によって内部の鉄筋が腐食し、地震の際の倒壊リスクが深刻視されている。文部科学省が推進する学校施設の安全管理ガイドラインの厳格化も、この撤去の流れを決定づけた。
また、過疎化や統廃合によって閉校を余儀なくされる学校が増加したことも大きな背景にある。教育・文化財業界の専門家は「移設費用が数百万円規模に上るケースもあり、自治体の財政圧迫を避けるために敷地内で解体処分される例が後を絶たない」と証言する。安全の確保と予算の壁が、かつてのランドマークを追いやっているのが実状だ。