落語界に激震が走ったのは2021年1月25日のことでした。六代目桂文枝の妻・真由美夫人が、療養先の医療機関で息を引き取りました。享年73歳。文枝が所属する吉本興業からの公式発表では「かねてより病気療養中であった」とされ、具体的な死因や病名についてはプライバシーへの配慮から公表を控える形が取られました。
関係者への取材やその後の本人の回想によると、真由美夫人は亡くなる数年前から体調を崩しがちで、入退院を繰り返す闘病生活を送っていたことが分かっています。ネット上では「急死だったため重篤ながんや心疾患ではないか」といった様々な憶測が飛び交いましたが、突発的な事故などではなく、長年抱えていた持病の悪化に伴う身体機能の低下が直接的な契機であったと伝えられています。
何より世間に衝撃と深い同情をもたらしたのは、その過酷なタイミングでした。真由美夫人が亡くなるわずか11日前の2021年1月14日、文枝の実母である治子さんが99歳で天寿を全うしたばかりだったのです。文枝は母の喪が明ける間もなく、半世紀を共にした最愛の妻まで見送るという、想像を絶する「二重の悲哀」に直面することとなりました。