そば粉を活用するうえで、見落とされがちなのが「粉の挽き方(番手)」と「割合い」の違いです。市販のそば粉には、実の中心部を使った白っぽい「更科粉(一番粉)」から、甘皮まで挽き込んだ風味の強い「挽きぐるみ(全粒粉)」まで幅広く存在します。
ネット上では「十割そば粉でなければ本格的ではない」といった言説も見受けられますが、これは用途によって異なります。例えば、ガレットやそばがきのようにそばの野性味を味わいたい料理には挽きぐるみの十割そば粉が最適ですが、繊細なケーキやクレープには、粒度が細かくクセの少ない一番粉・二番粉、あるいは米粉とのブレンドが向いています。
「どんな料理にも同じそば粉を同じ配合で使う」という思い込みを捨てることこそが、失敗を回避し、素材の美味しさを引き出す近道となります。