セ・リーグとパ・リーグを比較する上で、最も試合の様相を分けるのが「DH制(Designated Hitter / 指名打者制)」の有無です。
パ・リーグは1975年シーズンからDH制を導入しました。これにより、投手に代わって打撃専門の選手(指名打者)が9番目の打者としてラインナップに入ります。守備につかない長距離砲を起用できるため、切れ目のない強力打線が形成されやすく、投打の分業が進む要因となりました。
一方のセ・リーグは伝統的にDH制を採用せず、投手も原則として打席に入ります。これにより、以下のような戦術的駆け引きが生まれます。
・投手の打席でのバントや進塁打:投手の送りバント成功率が試合の流れを左右する。
・代打のタイミングと継投:好投している先発投手でも、得点圏のチャンスで打順が回れば交代を決断せざるを得ない局面が生じる。
・ダブルスイッチなどの選手交代:守備位置と打順を同時に組み替える高度なベンチワークが求められる。
なお、先発投手を前日に公表する「予告先発制度」については、パ・リーグが1994年から先行導入し、セ・リーグは長らく導入を見送っていましたが、2012年シーズンからセ・リーグも導入し、現在は両リーグ共通のルールとなっています。
また、日本プロ野球選手会や一部の球団首脳陣から定期的に提起される「セ・リーグへのDH制導入議論」は、投手の負担軽減や国際大会(WBCやプレミア12)への適応を理由に賛成派がいる一方、セ・リーグ特有の緻密な野球観を重んじるファンや球団関係者の根強い反対もあり、現在も活発な議論が続けられています。