本社の瀟洒なラウンジを歩くと、かつてこの場所に君臨したカルロス・ゴーン元会長の影が完全に払拭されたことを肌で感じる。規模の拡大を至上命題とし、販売台数を追い求めた拡大路線は過去のものとなった。だが、残された傷跡の深さと、そこからの脱却に費やした歳月は決して短くはなかった。
資本関係の対等化を経て新たなフェーズに突入したルノー・日産・三菱アライアンスは、プロジェクト単位での機動的な協業へと姿を変えた。欧州とアジアでの役割分担を明確にしつつ、ソフトウェア開発や共通プラットフォームの活用でコストを極小化する。かつての主導権争いに明け暮れた日々を清算し、プラグマティックな協調路線で勝機を見出す道を選んだのだ。