直接の原因ではないとはいえ、ストレスを野放しにしてよいわけではありません。がん発症メカニズムにおいて極めて重要なのが、体内で毎日生まれている異形細胞を監視・排除する免疫機能の存在です。健康な人の体内でも1日に数千個の異常細胞が発生していますが、通常は免疫細胞がこれらを即座に処理しています。
しかし、過度な負荷が続くと自律神経の乱れが生じ、交感神経が過剰に興奮した状態が固定化します。副腎皮質からコルチゾールなどのストレスホルモンが過剰に分泌されると、免疫細胞の増殖や機能が強く抑制される事態に陥ります。これが、ストレスによる免疫力低下とがんの進行リスクが結びつく最大の生理学的ルートです。