日本の音楽史において、夏をテーマにした楽曲は数知れない。しかし、なぜ『青と夏』は令和の現在においても圧倒的な定番夏ソングおよび青春ソングとしての地位を揺るぎないものにしているのだろうか。
その理由は、リスナーを「観客」にせず「主人公」にする歌詞の力にある。多くの夏曲が「あの夏の思い出」という過去形や「理想の恋」というファンタジーを描くのに対し、『青と夏』は「今、ここにある自分たちの夏」を讃える。イントロの第一音から感情を爆発させる構成、サビで一気に視界が開けるような開放感、そして嘘のない言葉。それらが一体となり、毎年夏が訪れるたびに新鮮な衝動を聴き手に与え続けているのだ。