首都圏から全国へと及ぶデジタル交通網の発展は、単一の地域内にとどまらない。現在、日本全国の主要都市圏では交通系ICカード全国相互利用サービスが完全に定着しており、Suica一枚でICOCA、PASMO、SUGOCA、TOICAなどのエリアをまたいだ相互利用と残高確認が可能となっている。
この巨大な相互利用ネットワークの中心的担い手である東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、前社長の深澤祐二氏らが主導したデジタルシフト戦略に基づき、インフラのオープン化と訪日外国人向け施策を強力に推進してきた。その代表例が、訪日観光客向けにデポジット不要で利用できる「Welcome Suica」およびその進化型であるWelcome Suicaプロジェクトだ。海外からの旅行者が空港に到着した瞬間からスマホや専用カードでスムーズに移動できるよう設計されたこのプロジェクトは、訪日外国人にとっても「残高確認の簡便さ」が日本体験の質を左右する重要要素であることを証明している。