握力と一口に言っても、筋肉や腱の使われ方によって性質が大きく3つに分類されます。それぞれの特徴を理解することが、適切なメニューを組み立てる第一歩です。
第1が、物を手の中で力強く握りつぶす「クラッシュ力(Crush)」です。ハンドグリップで鍛えられる代表的な力であり、握力計の数値を伸ばす際にも主役となります。第2が、指先でものをつまむ「ピンチ力(Pinch)」で、指の先端の力や親指の対立筋が強く関与します。第3が、重い荷物やバーベルを握ったまま保持する「ホールド力(Support / Hold)」で、デッドリフトや懸垂で身体を支え続ける持久的な強靭さを指します。
自身の現在地を把握するために、スポーツ庁の体力・運動能力調査から見る成人男女の握力平均値(年齢別)を確認しておきましょう。
成人男性の平均値は、20代前半で約45〜46kg、20代後半〜30代で約47kgのピークを迎え、40代で約46kg、50代で約44kgと推移します。女性の場合は、20代〜40代を通じて約28〜29kg前後が標準的な数値です。一般的なリンゴを片手で握りつぶすにはおよそ70〜80kg前後のクラッシュ力が必要とされ、平均値を大幅に超える握力を手に入れるには、体系的な負荷設定が欠かせません。