しかし、きらびやかなスポットライトの裏には、常に模索と葛藤があった。プロスケーターとしての安藤は、単に過去の栄光にすがることを良しとしなかった。常に新しい技術、新しいプログラムに挑み続ける彼女に対し、真壁氏はプロデューサーとして時に厳しく、時に温かくその背中を押し続けたという。
「観客が何を求めているのか、そしてスケーターが何を表現したいのか」。この二つのバランスを取ることは容易ではない。妥協を許さない二人のプロフェッショナルがぶつかり合い、対話を重ねることで、日本のショーは世界でも類を見ないクオリティへと引き上げられていった。それはまさに、氷上の共同クリエイションだった。