「使いすぎた記憶もないのに、急に指の第二関節が腫れて痛むようになった」という40代〜50代女性の訴えの背景には、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な分泌低下が深く関与しています。
エストロゲンには関節を包む滑膜の腫れを抑え、腱や腱鞘の柔軟性を保つ保護作用があります。閉経前後にこのホルモンが減少すると、指の関節内で微細な炎症が起きやすくなり、腱鞘炎やブシャール結節の発症リスクが一気に跳ね上がります。
近年の日本手外科学会や産婦人科領域の研究報告でも、更年期手指トラブルに対して「エクオール含有食品(大豆イソフラボン代謝物)」の摂取や、ホルモン補充療法(HRT)が症状緩和に寄与する事例が多数報告されています。骨の変形が定着する前の初期段階でホルモン環境の変化に配慮したアプローチを行うことが、長期的なQOL(生活の質)維持の鍵となります。