結論から申し上げると、「口に入れた瞬間に歯が溶ける」「胃から吸収されたコーラによって体内の骨が溶ける」という認識は完全な誤解(都市伝説)です。胃酸はコーラよりも強力な強酸性(pH1〜2)であり、飲んだ炭酸飲料が血液や骨を直接溶かすような生体反応は起こり得ません。
しかし、「抜けた歯をコーラに浸しておくと溶ける」という実験結果は紛れもない科学的事実です。かつてメディアや理科の実験で話題となった「抜去歯をコーラに数日間漬け込むとボロボロになった」という現象は、歯の主成分であるカルシウムやリンが酸によって化学的に溶出(脱灰)した結果です。
人間の口腔内には唾液による緩衝作用(酸を中和して中性に戻す働き)と再石灰化機能が備わっているため、普通に飲んですぐ飲み込む分には実験のように急激に溶けることはありません。問題となるのは、「酸に触れている時間の長さ」と「頻度」です。生体の防御機構を超えて酸に晒され続けた場合、歯の表面は確実に化学的融解を起こします。