都内近郊のスタジオで行われた密着取材中、我々が目撃したのは、驚くほど静かで熱い現場の空気感だった。モニターを見つめる柴崎監督の視線は鋭く、一発勝負の爆破シーンやスタントの合間にも、役者のミリ単位の立ち位置や照明の陰影に一切の妥協を許さない。
「どんなに壮大なVFXを使っても、最後に観客の心を動かすのは画面に映る人間の泥臭い感情だ」。休憩中、缶コーヒーを片手に照れくさそうに明かしてくれたその言葉に、彼の制作哲学が集約されていた。現場のスタッフ一人ひとりの意見に耳を傾けつつ、瞬時に最適解を叩き出す判断力の速さも、周囲を惹きつけてやまない理由だ。