伝統という名の歪んだレガシー。一部の大学サークルでは、先輩からの酒杯を拒めない無言の圧力が今なお色濃く残る。ノリを合わせなければ居場所を失うという心理的脅迫が、無謀な飲酒へと学生を追い込んでいく。こうした力関係に基づくアルコールハラスメントは、過酷な飲酒コールとなって現場を支配する。
一気に流し込まれた酒は、短時間で血中アルコール濃度を異常な高値へと跳ね上げる。その結果として引き起こされるのが急性アルコール中毒だ。脳の呼吸中枢が抑圧され、最悪の場合は自力呼吸ができなくなって死に至る。危険性を訴え続ける「イッキ飲み防止連絡協議会」などの啓発運動にもかかわらず、密室化した飲み会の現場ではリスクへの鈍感が惨事の引き金を引き続けている。