当時の政権を担当していた橋本龍太郎首相は、自らが掲げる省庁再編や金融大改革の最中に牙を剥いたこの大不祥事に直面し、苦渋の断行を迫られた。政権基盤の動揺を抑え込むため、トップとして矢面に立ち続けざるを得なかった政治の現場は混乱を極めた。
一方、捜査の主導権を握った警視庁特別捜査班による容赦ない強制捜査は、政官界に走る戦慄を増幅させた。関係各所へのガサ入れによって押収された膨大なメモや接待記録の解析は、個々の官僚がどのように懐柔され、いかに国家の公益が害されていったかを克明に証明してみせたのである。