現地での生活実態を把握するため、実際に鳥取県や四国の中山間地域へ移住した住民、および地元出身者の体験談やコミュニティでの証言を検証しました。
IT企業に勤務しながら完全リモートワークで鳥取県米子市へ移住した30代夫婦は、次のように語っています。
「東京にいた頃は保育園の空きがなく、毎日の通勤電車だけで体力を消耗していました。移住後は海と大山(だいせん)がすぐそばにあり、子どもをのびのび遊ばせることができます。スーパーの魚や野菜の鮮度と安さは都内と比べ物になりません。ただし、自家用車が夫婦各1台(計2台)必須である点や、冬場の降雪対策・除雪にかかる手間は事前の想定以上でした」
一方で、過疎地域の集落で暮らす地元住民からは、厳しい現実も吐露されています。
「集落の高齢化が進み、水路の泥上げや草刈りといった共同作業の負担が年々重くなっています。病院までの通院バスも減便が続いており、高齢で免許を返納した後の生活設計が地域全体の共通の不安です」
生活インフラが整った地方中核都市周辺での暮らしやすさと、中山間部における持続可能性の危機という「県内格差」が存在することが、現場の共通認識となっています。