日焼けの皮むけが発生している最中は、状態に応じた正確なアプローチが求められます。「放置するとどうなるのか」という点については、適切な保護を怠った完全放置(乾燥したまま外気に晒し続けること)は角質が硬化して治癒を遅らせますが、「人為的に触らず、水分と油分を与えて見守る放置」こそが医学的に最良の選択肢です。
1. ズキズキ痛む・熱を持っている場合の緊急処置
皮がめくれかけている箇所がまだ赤く、触れると痛む段階では、皮膚内部でプロスタグランジンなどの炎症性物質が大量に放出されています。この時期に最も優先すべきは「鎮静と冷却」です。冷水で湿らせた清潔なタオルや、タオルで包んだ保冷剤を患部に当て、熱感をしっかり取り除いてください。
注意すべきは、氷を直接肌に当てたり、冷湿布を貼ったりする行為です。凍傷のリスクや湿布の粘着剤・消炎成分による接触皮膚炎(かぶれ)を引き起こし、傷口を悪化させる危険性があります。痛みが激しく眠れないような場合は、我慢せずに市販のロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を一時的に内服し、全身の炎症を抑えるのも有効な手段です。
2. 激しいかゆみに襲われたときの正しい鎮痒法
皮がめくれる過程で、多くの人を苦しめるのが耐え難い「かゆみ」です。このかゆみの原因は、乾燥によって角質層のバリアが失われ、真皮の知覚神経(C線維)が表皮のすぐ下まで伸びて過敏になっていること、そして組織修復の過程で肥満細胞からヒスタミンが分泌されることにあります。
ここでも絶対に爪を立てて掻き壊してはいけません。掻破(そうは)によって皮膚がえぐれると、化膿菌が侵入してとびひ(伝染性膿痂疹)を併発するリスクが高まります。かゆみを感じた瞬間は、患部を冷水スプレーや保冷パックで冷やすことで神経の興奮を鎮めるのが基本です。どうしても痒みが引かない場合は、第二世代抗ヒスタミン薬の内服や、非ステロイド性の抗炎症外用薬、あるいは皮膚科で処方されるマイルドランクのステロイド軟膏を局所塗布して対処します。
3. ピラピラ浮いた皮の処理方法
服に引っかかって邪魔になったり、外見が気になったりする浮いた皮は、根元から引っ張ってはいけません。入浴後など皮膚が十分に柔らかくなっている状態で、アルコール消毒した眉用ハサミや爪切りを使い、すでに完全に浮き上がっている白い角質部分だけを慎重にカットします。まだ肌に密着しているピンク色の部分には刃先を触れさせず、数ミリの遊びを残して切り落とすのが安全を保つ秘訣です。