「仙台の人間は、普段どこでずんだ餅を買っているのか?」という問いに対し、多くの市民が口を揃えるのが北目町の「村上屋餅店」や、若林区界隈の小さな町の餅屋です。地元民にとってずんだ餅は、贈答品であると同時に「ハレの日に食べる作りたての惣菜・おやつ」という日常の延長線上にあります。
平日の午前中でも、村上屋餅店の暖簾をくぐると、テイクアウトを待つ地元客とガイドブックを手にした観光客が静かに列を作っています。取材時に店内で注文した「三色餅(づんだ・ごま・くるみ)」を口に運ぶと、まず飛び込んでくるのは粗く刻まれた枝豆の心地よい粒感と、砂糖の甘みを引き締める絶妙な塩気。そして、機械練りでは決して出せない、米の生命力を感じる力強い弾力です。店頭で「今夜の新幹線で食べる」と告げて買い求める旅人の表情には、名店に出会えた確信が漂っています。
SNSや口コミプラットフォーム上の数万件の声を精査すると、観光客の評価は明確に二分されています。大半は「濃厚な枝豆の味に感動した」「ずんだシェイク以来の衝撃」と絶賛する一方、低評価をつけている層のほとんどが「日持ちが短すぎて会社に配れなかった」「冷蔵庫に入れたら餅がカチカチに硬くなった」という取り扱い上のミスマッチに起因しています。純粋な餅米で作られた本物ほど、冷気によってデンプンが老化(硬化)します。この物理的特性を理解しているか否かが、満足度の分水嶺となっているのです。