高校教師の勤務実態調査によれば、教員の持ち帰り仕事を含めた時間外在校時間は月平均約60〜85時間に及びます。いわゆる「過労死ライン」である月80時間超の労働に従事する教員の割合は、依然として約3割前後を占めています。
高校特有の激務を生み出している最大の要因は、部活動顧問の負担です。中学校では休日部活動の地域移行が進展を見せている一方、高校現場は高野連や高体連、各種コンクールとの兼ね合いから地域移行が遅れています。ある都立高校の教員は手記の中で、その実態を次のように告白しています。
「土日は大会の引率と練習試合で毎週潰れ、手当は1日わずか数千円。月曜の朝は体の節々が痛む中で1時間目の授業を迎える。生徒の熱意に応えたい気持ちはあるが、自分の家庭は完全に犠牲になっている」
さらに高校現場を圧迫しているのが、高度化する大学入試指導と「総合的な探究の時間」の対応です。推薦・総合型選抜の拡大に伴い、生徒一人ひとりの志望理由書の添削や小論文指導、面接練習に膨大な個別指導時間が奪われています。教科指導の準備は授業時間外に追いやられ、深夜の職員室で教材研究に追われる悪循環が常態化しています。