「忙しそうに走り回る看護師の手を、血が少し逆流したくらいで煩わせていいのだろうか」と躊躇してしまう患者は非常に大勢います。大手医療系コラムや看護師向け転職メディア(Wovie!看護など)の実態アンケートや現場ヒアリング調査でも、多くの患者が「怒られるのではないか」「クレーマーと思われないか」とナースコールボタンの前で逡巡している現状が浮き彫りになっています。
しかし、病棟および在宅療養の現場で働く看護師の証言は、患者の懸念とは正反対です。
「『血が逆流したくらいで呼んで申し訳ない』と謝られる患者さんが多いのですが、私たち看護師からすれば『固まる前に1秒でも早く呼んでくれたほうが100倍ありがたい』というのが偽らざる本音です。血液が固まって点滴が落ちなくなると、留置針の抜き差しという痛い処置をもう一度行わなければならず、患者さんの苦痛も増えますし、私たちの処置時間も何倍も奪われます。遠慮は一切不要です」(都内急性期総合病院・病棟看護師の手記・証言より)
特に近年は、静脈炎の予防や患者のQOL向上を目的とした安全管理ガイドラインが厳格化されています。「ちょっと血が上がってきたな」と感じた時点で気兼ねなくナースコールを押すことこそが、医療現場の負荷を最小限に抑え、自身の安全を守る最も知的な患者の振る舞いと言えます。